11.  ドリーム

 映画「ドリーム(Hidden Figures)」を見ました。この映画は、1960年代、アメリカとソ連が熾烈な宇宙開発競争を繰り広げていたNASAラングレー研究所を舞台にした黒人女性数学者たちの実話に基づく物語です。当時、ソ連が人類初の人工衛星スプートニク1号を打ち上げ、さらにガガーリンを乗せた有人宇宙飛行に成功したことにショックを受けたアメリカが威信をかけて有人宇宙飛行マーキュリー計画に取り組んでいました。
 コンピュータがまだ存在しない時代、彼女たちは、優秀な頭脳を持ちながらも人種差別を受け、研究所の中心から遠く離れた「西計算グループ」で働いていました。
 西計算グループの責任者のドロシーは、黒人であるがゆえに昇進を拒まれていました。しかし、新たに導入されたIBMコンピュータを独学で学び、部下の女性たちにも学ぶ機会を与え、コンピュータプログラミングの時代を先取りすることで、自分とその仲間たちの活躍の場を得ていきます。
 エンジニアを夢見るメアリーは、黒人であるためにそれを諦めていました。しかし、粘り強く裁判所に嘆願することで、黒人女性として初のエンジニア養成プログラムを受ける機会を得、その後、エンジニアとして活躍していきます。
 数学において卓越した才能を持つキャサリンは、黒人女性として初めて宇宙特別研究本部に配属されますが、白人男性ばかりの職場で差別を受けます。しかし、キャサリンは、突出した数学力で、宇宙船の軌道計算をあっという間にこなし、その才能を見せつけます。映画の終盤では、アメリカ発の有人宇宙飛行の地球帰還に必要な軌道計算を一人でやってのけます。
 彼女たちは、様々な差別や困難に会いながらも、仲間と助け合い、自らの数学力、技術力を高める努力を惜しまず、そしてその力を信じ、結果的にアメリカの宇宙開発に大きな貢献をしました。
自分の持つ才能を伸ばし、その力を高めていくことができるのはまさしく「自分自身」であり、その力は決して自分を裏切らない、と感じる映画でした。
 自ら主体的に学び続けることによって自分自身を高めていく、仲間と協力し合いながら、社会に貢献していく、これこそ住吉高校がめざす「自立した学習者」の姿です。


住吉高校の校長室から