2. プログラミング教育 その1


 住吉高校は、県立高校改革実施計画の一環として、平成28年度から3年間、「プログラミング教育研究推進校」に指定されています。改革計画の重点目標1に「すべての生徒に自立する力・社会に生き抜く力を育成する」とあり、その具体的な取組みのひとつとして、位置づけられています。また、文部科学省は、次期学習指導要領の改訂に向けて、小学校からプログラミング教育の実施を検討しています。では、なぜ、いま、プログラミング教育なのでしょうか。
 私たちの日常生活に、コンピュータ、スマートフォン、タブレットなどが普及し、特に今の高校生は、幼い頃から身の回りにこうした物が存在し、インターネットを介した情報、コミュニケーションのやり取りには慣れ親しんでいます。さらに、ネットショッピング、音楽や動画、アプリのダウンロード、ゲーム、チケットの予約など、様々なサービスがインターネット上で提供されており、今やこれらを抜きにした生活は考えられないという状況も感じられます。スマートフォンひとつで、かつて、ドラえもんがポケットから取り出した道具が持つ機能をいくつも持ち合わせているかのようです。こんな便利な道具があったらいいなあと思っていたことの多くが、既に実現しているわけです。
 しかし、このスマートフォンは決して「魔法の箱」ではありません。非常に小型化されたCPU(コンピュータの頭脳部)に加え、無線通信機、タッチパネル、カメラ、音源再生などの機能を持つ機器などのハードウエアと、それをコントロールするソフトウエア(プログラム群)から成り立っています。
 インターネットの検索エンジンにキーワードを入れると、即座にそれに関連した情報が提供されます。最近では、ネットショッピングのページを開いただけで、自分の趣味や好みをどうして知っているのだろうと思うように、お勧め商品が表示されます。自動車のカーナビゲーションに目的地を指示すると、渋滞情報や高速料金を加味して、最適なルートの選択肢を示してくれます。これらもすべて、一連のプログラムによって、そのシステムが構築されています。こうしたサービスは、大変便利で、私たちの生活の質を向上させてくれます。しかし、私たちは、単にこうしたサービスの受け手としての存在だけでよいのでしょうか。
 第2次産業革命を引き起こした「電気」の存在、今や当たり前のように私たちの生活の基盤を支えています。小学校の理科に始まり、高校では物理で「電気」について学びます。工業高校には「電気科」があり、大学の工学部に進学し、さらに専門的なことを学び、それを職業にしている人も多くいます。「電気」そのものを職業にしていないとしても、「電気」のことを知らないと不都合が生じることは多々あるでしょう。
 ところで、ニューヨーク市立大学教授のキャシー・デビッドソン氏が、「2011年度にアメリカの小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」と述べたことが、話題になっています。確かに、日常的な買い物についていえば、店先で店員さんとおしゃべりをしながら商品を手にとってしていたものが、やがてスーパーのレジ打ちとなり、今はバーコード、さらにはセルフレジと効率化され、それによってそこで働く人の働き方も変わってきています。もちろんその背景にはそれらに対応するハードウエアとそれを動かすプログラムが存在します。
 こうした変化の激しい時代に生きる子どもたちに、どのようなプログラミング教育が必要なのか、それをどういう方法で行ったらよいのか、「プログラミング教育研究推進校」として取り組んでいきたいと思います。