3.  プログラミング教育 その2


 学力の3要素とされている知識・技能、思考力・判断力・表現力、学習意欲のうち、特に論理的思考力の育成が、プログラミング教育には期待されています。
コンピュータは大変高速に情報処理をしていますが、基本的には、ひとつの処理を積み上げていくことで、一連の情報処理、課題解決を行っています。プログラミングとは、その手法や言語は様々ですが、いずれも、ある目的を達成するために、コンピュータに対して、順序立てて処理手順を指示していくものです。コンピュータは、指示されたことを指示されたとおりに実行してくれますが、人間のように、きっとこういうことを伝えたいのだろうと推測をしたり、想像したりはしてくれません。したがって、あいまいさを排除し、厳密に、その手順を指示しなければなりません。そのためには、物事を論理的に考え、適切に表現する力が必要となります。
住吉高校で行っているプログラミング教育は、いわゆるプログラミング言語の習得をめざしているわけではありません。プログラミング言語は、人間の意図をコンピュータに伝えるための言語ですが、これも時代とともに進化をしています。命令文を文法にしたがって1行1行書いていくというものから、ブロックのようなものを積み木のように視覚的に並べていくようなものまで、様々なものが開発されています。何らかのプログラムをするためには、プログラミング言語が道具としては必要ですが、言語の習得が目的ではなく、人が考えていることを正確にコンピュータに伝えるために、物事を論理的に考え、伝えるにはどうしたらよいかというプログラミング的思考力を育成していきたいと思っています。
プログラミング的思考力が活かされるのは、コンピュータに対するプログラミングだけではありません。楽器を演奏したり、歌を歌うなど音楽に親しんでいる方も多いと思いますが、作曲者が作った曲を演奏者に伝えるために用いられるのが、楽譜です。楽譜には、拍子、音程、音の長さや大きさ、演奏する順序などが、一定のルールにしたがって記述されています。これもひとつのプログラミングととらえることができるでしょう。音楽では、さらに楽譜に落とし込めない音楽性が問われるのだと思いますが、基本的に演奏者は、楽譜に示されたとおりに演奏していくことが求められます。
ところで、本校ではここ数年、修学旅行で沖縄に行っています。沖縄の伝統的なお菓子「サーターアンダーギー」を食べて、自分でも作ってみたいという生徒たちのために、家庭科の授業で取り入れています。そのときに必要なのが、レシピ、つまり作り方の手順書です。
「サーターアンダーギー」の作り方
〇 材料(薄力粉160g、ベーキングパウダー2g、砂糖80g、卵1個、サラダ油小さじ1)を用意する。
〇 ボールに卵、砂糖、サラダ油を入れる。
〇 これらを泡だて器でよく混ぜる。(※)
〇 薄力粉とベーキングパウダーを合わせたものを※のボールに入れる。
〇 これらをゴムべらで混ぜる。
〇 3㎝くらいに丸める。
〇 これらを150~160°Cの油でじっくり揚げる。
これはまさしくサーターアンダーギーを作る、という課題に対してその手順を示したプログラムです。
 物事の手順を、論理的に思考し、それを相手にわかるように記述していく。読み手はその手順を正確に読み取っていく。そのことによって、さらにそのプログラムを加工したり、改良したりすることも可能になっていくわけです。

住吉高校の校長室から