6.  プログラミング教育 その3


 夏休みの学校、夏期講習を受けるために通ってきている生徒もいれば、グラウンド、体育館、テニスコート、音楽室や教室など、熱心に部活動をする生徒も大勢います。
 ところで、部活動の練習計画はどうやって立てているのか、という私の質問に対して、陸上競技部の顧問がこんな話をしてくれた。目標となる大会日程に照準を合わせ、それまでの日数を、1週間毎など、いくつかのブロックに分割し、段階的な目標を設定する。それを検証しながら、微調整をしていくという。さらに、その日の天候、使用できるエリア、生徒たちの体調によって、例えば雨の場合はピロティでの基礎練習、気温が高い日は直線コースを集中的に走りこむ、曇りの日はグラウンドにトラックを整備して走る本数を増やすなど、時に生徒たちにも任せながら、練習メニューをアレンジしていくという。
 目標に対して、全体プログラムをいくつかのサブプログラムに分割していく。その実行状況によって、場合分けして、必要に応じて繰り返し実行する。さらに、お天気を含めて環境、生徒たちの体調などの条件によって、条件分岐をしながら、練習メニューを繰り返していく。こうした「練習プログラム」を作っていくのは、まさに「プログラミング」。
 目標を達成するためには何が必要なのかを分析し、細かい要素に分解し、条件に応じて場合分けをしながら、それを順序だてて積み上げていく、これは「段取り力」とも言える。
 本校は、9月に入るとすぐにクラスや部活動、委員会、有志などが参加し、「羽月祭」が開催される。夏休みに入る前から既に準備は始まっている。催しを成功させるために、必要な作業を整理し、役割り分担をし、準備のスケジューリングをし、進行管理をしていく。これらはまさに「段取り力」が発揮される場面。加えて、仲間と協力してプログラムを実行していく力も必要となる。
 そして、部活動や文化祭などで養った「段取り力」は、一人ひとりの進路実現の場面でも発揮されることになる。例えば、大学進学を目指しているとすれば、目指す分野、大学を絞りこみ、推薦入試なのか一般入試なのか、受験科目は何なのか、過去の出題例を参考に、どういう力を養っていく必要があるのかを見定め、入学試験当日までの学習計画を段取っていく。定期テストや模擬試験など節目となるところで、進捗状況を確認し、自分の強みを生かし、弱点を補えるよう、準備を進めていく。自らの進路実現のために、自らの学習計画をプログラミングする力とそのプログラムを実行する力を兼ね備えた「自立した学習者」こそ、本校が育てている生徒像そのものである。

住吉高校の校長室から