3. 校長通信  白南風(しろはえ) 第3回

 

白南風(しろはえ)とは、「梅雨明けのころに吹く、雨雲を一掃するようなさわやかな風」という意味がある言葉です。住吉高校を吹き渡る清々しい風と、生徒の皆さんのさわやかさ、たくましさをイメージしました。第3回は、選択する です。

住吉高校の皆さん、体育祭(もう、一ヶ月以上経ってしまいましたが)お疲れさまでした。準備段階から天候にも恵まれ、皆さんの素晴らしいパフォーマンスをじっくりと見ることができました。「最高の作品は次の作品」という言葉がありますから、来年も、ますます企画に磨きをかけてくれるものと期待しています。
 さて、体育〝祭″といえども競技ですから、当然勝ち負けはありますが、各組がそれぞれのよさを発揮できたと思います。各競技に真剣に向き合う姿はもちろん、応援パフォーマンスもマスコットも力作ぞろいで、素晴らしいものでした。どれかを選ぶことの難しさを、ひしひしと感じながら審査をさせてもらいました。
 また、当日の髪の毛の色を落として元通りにする場面では、3年生諸君のチェックの厳密さには、感動を覚えました。楽しければ、あるいは(自分たちにとっての)一生懸命ならば、「多少のルール違反ぐらいしょうがない」ではなく、行事の成功に一番大切な事は「ルールやマナーを自主的に守って、誇り高い体育祭にしよう!」という「住校生の気持ち」なのだということを、しっかりと示してくれました。

 皆さんは大きな力を持っています。それは学校の文化を作り上げる力です。体育祭幹部のみんなが、部活動のみんなが、委員会のみんなが、生徒会のみんなが、良い行事にしよう、そして準備や片付けも含めてしっかり楽しもうと、力と気持ちを合わせることで、生徒会行事は運営されています。そこに多くの生徒たちの共感と協力が加わって、行事は進化し学校の文化となるのです。

 さて、悩みながら応援やマスコットの評価をしたと書きましたが、何かを選ぶということは結構難しいものです。難しいのに、私たちは、日常的に様々な選択をしながら生きています。ほとんど無意識に行われるものから、じっくり悩むものまで、何かを「決める」ということは、何かを「選んでいる」といえます。

 英語では、chooseselectを使うことが多いようです。どう違うのか気になったので、
ちょっと調べてみたところ、どちらも主体的によく検討して選び出すという意味がありますが、selectの方が、より慎重に厳選するニュアンスがあるそうです。ほかにも、もっと気楽に選ぶときには、pickを使うとか、自分に気持ちなど選ぶ(決める)ときには、optを使うとか、いろいろな単語が出てきました。興味のある人は、調べてみてください。
 同じような物事や行為にたくさんの言い回しがあるということは、たくさんの人が、そのことに強くこだわってきた証拠だと思います。私たちの人生は選択の積み重ねなので、選ぶときの微妙なニュアンスの違いが、たくさんの言い方を生んだのでしょう。 
 ところで、時々「後悔しない選択」などの言葉を耳にすると思います。誰だって、選択したら後悔はしたくないものです。でも、いつも後悔しない選択なんて、本当にできるのでしょうか?
 私は、後悔するのは仕方ないと思っています。選択には必ずと言っていいほど結果がついてくるので、それが自分の期待したものと外れていれば、後悔はするでしょう。そして、物事が予想通りにいかないことは、人生において、ままあるものです。
 難しい選択をするときほど、後悔はしたくないものですが、難しい選択だからこそ、後悔するかもしれないことを覚悟しなければならないと思います。何かを選択するということは、同時に選択しなかった何かを生み出すことになるわけですから。
 ただ、その後悔をどう受け止めるか、については、できるだけ前向きでありたいと思っています。そして、後悔を覚悟するとはいえ、雑な選び方はしたくないと思っています。

 選ぶといえば、74日に第25回参議院議員選挙が公示されました。改選議席は、定数が増えたので、124議席。投票日は、21日です。3年生の皆さんの中には、投票所入場券が郵送されてきた人もいると思います。投票は、選挙区と比例代表の一人二票で、選挙区では候補者の名前を、比例代表は政党や政治団体の名称か、名簿に登載された候補者個人の名前を書きます。

 政治について、なんだかよくわからないし、誰を選んでも同じに見えるという人もいるかもしれませんが、皆さんには「わからない」を言い訳にしてほしくありません。「わからないから避ける」のではなく、「わかろうと努力し、自分なりに選択する」ことが大切でしょう。18歳という年齢は、それができる精神年齢に達していると公認されたのだと思ってください。すでに18歳になった人にもこれからなる人にも、「一票の権利」はぜひ行使してほしいと思います。

 とはいえ、自由投票制による自由選挙ですから、誰に投票するかはもちろん、棄権することもまた自由ということになります。自由に選べる権利をどのように使うかも、まさに自分次第ということです。
 自分の人生や世の中を良い方向に変える力を持っているのは、ペシミスト(悲観主義者)ではなく、未来に向けて前向きに努力できるオプティミスト(楽観主義者)だと思います。「どうせ自分の一票なんて何の力も無い」と考えるか、「この一票が将来を良くする力になるかもしれない」と考えるか、これもまた一つの大きな選択だと思うのですが、いかがでしょう?

 住吉高校では、17日に模擬投票が行われます。これは、全校生徒が対象で、今回の参議院選挙での選挙権の有無は関係ありません。模擬投票(もちろん選挙権のある人は本番も)に際しては、ぜひ気持ちを入れて取り組んでください。よろしくお願いします。

          令和元年7月10日 校長 大貫 晶子